36万ベクレルはシーベルトに換算するとどれくらい?実際に計算してみた
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豆知識
6月8日、茨城県大洗町の原子力研究開発機構「大洗研究開発センター」にて作業員被ばく事故が発生し、被ばくした作業員5人のうち一人から36万ベクレル被ばくしたことが推計されましたが、これはシーベルトでいうとどれくらいなのでしょう。
気になったので、実際に計算してみました。
シーベルトの致死量
シーベルトの致死量は6〜7シーベルトと言われ、3〜4シーベルトで生存率50%、2シーベルトで生存率5%と言われています。ちなみに原発の作業員は年間で0.05シーベルトが被ばく量の上限として定められています。
かつて東海村で起こったJCO臨界事故で被ばくした人のうち二人は推定6シーベルトを超えており、事故発生から数カ月後に死亡しています。
詳しくは以下記事にてまとめています。
>>36万ベクレル被ばくはどれくらい危険か?東海事故の被ばく者との比較
36万ベクレルをシーベルトに換算した値は?
原子力研究開発機構の発表によれば、36万ベクレルを受けた作業員のシーベルトの値は年間1.2シーベルトと推定されるとのこと。
ただ、この値が本当なのか気になったので実際に自分で計算してみました。
ベクレルからシーベルトの換算にはベクレルの値のほかにどのような放射性物質に被ばくしたかにもよります。
簡単にその換算式を表しますと、
1kg辺りのベクレルの値(Bq/kg) × 放射性物質ごとの線量係数(Sv/Bq) = シーベルトの値(Sv)
となります。
今回の事故で作業員が被ばくした放射性物質はプルトニウム239と呼ばれる物質です。
今回の1kg辺りのベクレルの値は 3.6×10^5(Bq/kg)
プルトニウム239の線量係数は 2.5×10^-7(Sv/Bq)
なので、計算式は
3.6×10^5(Bq/kg) × 2.5×10^-7(Sv/Bq) = 0.09(Sv)
となり、
シーベルトの量は0.09シーベルトということになります。
この量は国によって規定されている「1年間」の作業員の被ばく量の上限0.05シーベルトを超える値です。
おそらく年間に換算するとさらに高くなるものと思われますが、今回はあくまで簡易的な式による計算結果なので参考程度に捉えておいたほうが良いかもしれません。
ただ、少なくとも言えるのは普通の作業員に規定されている「1年間」の被ばく量の上限を「1日」で超えてしまっているので、ただならぬ事態であることは確かでしょう。
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