36万ベクレル被ばくはどれくらい危険か?東海事故の被ばく者との比較

公開日: : 政治

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6月8日、茨城県大洗町の原子力研究開発機構「大洗研究開発センター」にて作業員被ばく事故が発生し、被ばくした作業員5人のうち一人が肺から2万2千ベクレルの放射性物質プルトニウムが検出され、体内の総量が36万ベクレルと推計されました。

この値はどれくらい危険なのか東海村JCO臨界事故の被ばく者と比較してみました。

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ベクレルの致死量は?

「ベクレル」とは放射線の強さのようなものを表す単位ですが、致死量は人間が放射線を浴びたときの影響を表す単位である「シーベルト」に変換して表されるようです。

シーベルトの致死量が以下の通りです。

6〜7シーベルト

これ以上の被ばく量で99%死亡する。いわゆる致死量

5シーベルト

永久不妊になる被ばく量

3〜4シーベルト

約50%が死に至る被ばく量

2シーベルト

約5%が死に至る被ばく量

1シーベルト

吐き気などの症状が出始める

0.5シーベルト(500ミリシーベルト)

リンパ球の減少が見られ始める

0.2シーベルト(200ミリシーベルト)

ただちに症状は現れないが、長期的に影響が出る可能性がある

0.05シーベルト(50ミリシーベルト)

ガンの発生率が上昇し始める

0.0024シーベルト(2.4ミリシーベルト)

1年間の自然放射線被ばく量の世界平均

参考:http://www.toha-search.com/kenkou/sievert.htm

 

東海村JCO臨界事故の被ばく者の線量

作業員A(当時35歳):推定16〜20シーベルト以上

完全に染色体が破壊され、新しい細胞ができない状態に。造血幹細胞の移植手術などが行われるも最終的に各臓器の機能が著しく低下し、治療手段がなくなり、事故から83日後に多臓器不全で死亡

作業員B(当時40歳):推定6〜10シーベルト

Aと同様染色体破壊を受けるが、造血細胞の移植が成果を上げ、警察への証言を行うまでに回復。しかし、徐々に容態が悪化し、事故から211日後に多臓器不全で死亡

作業員C(当時54歳):推定1〜4.5シーベルト

一時白血球数がゼロになるも無菌病室にて骨髄移植手術を受け、回復。事故から82日後退院

参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/東海村JCO臨界事故

 

36万ベクレルはどれくらい危険?

では今回の36万ベクレルの被ばく者はシーベルトに換算するとどれくらいなのでしょうか?

同機構によれば暫定の被ばく量は1年で1.2シーベルト換算になるとのこと。

つまり東海村JCO臨界事故の作業員Cに近いケースだと言えるでしょう。

上記のシーベルトの影響で言うと5%が死に至るという2シーベルト〜リンパ球の減少が見られ、吐き気などの症状が出始める1シーベルトの間なので、確実に身体への影響が出始めると言え、最悪死に至る可能性も考えられます。

 

あくまで暫定値でありますが、1年で1.2シーベルト分と被ばくを受けた今回の事故は間違いなく東海村JCO臨界事故以来の重大な事故と言えるでしょう。

幸い、かつて東海村の事故で生還した作業員Cの値に近いので、生還の可能性が十分考えられますが、それでも油断はできない状況です。

被ばくした作業員の方が無事生還できることを祈っています。

 

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