夢の分子「カーボンナノベルト」は一体何がすごいの?その特徴や性質、使い道など
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最終更新日:2017/04/15
科学
名古屋大学の研究チームが夢の分子と呼ばれる「カーボンナノベルト」の合成に世界で初めて成功しましたが、このカーボンナノベルトは一体何がすごいのでしょう。
その特徴や性質、使い道などについて詳しくまとめてみました。
カーボンナノベルトとは?
カーボンナノベルトの構造
カーボンナノベルトとは炭素原子が蜂の巣のように六角形で結合し、それが環状につながっているカーボンナノチューブの輪切りにしたような構造が特徴です。
ちなみに炭素原子が六角形状で結合していて
平面状になっているのがグラフェン
管状になっているのがカーボンナノチューブ
カーボンナノチューブを細かく輪切りにしたものがカーボンナノベルト
という形で分類されています。
グラフェンの構造
カーボンナノチューブの構造
何がすごいの?
カーボンナノベルトの素晴らしいところはカーボンナノチューブを意図した形に作ることができる点にあります。
というのもカーボンナノチューブは鉄の約20倍の硬さながらも非常に軽く、柔軟かつ安定した素材で、高い導電性や熱を通しやすい性質を持っている夢の素材とも言われているのですが、その一方で製造するのが困難で意図した形に作るのが難しかったのです。
それを意図した形に成型可能にするのがカーボンナノベルトであるのですが、こちらは60年以上前からその存在が提唱されていたものの、これまで合成に成功した人は存在せず、科学者の間では「夢の分子」と呼ばれていました。
その合成に成功したのが今回の名古屋大学の研究チームであり、これをきっかけにカーボンナノチューブの活用の幅が広がり、かつてないほどの技術革新を生み出す可能性があるのです。
どのような使い道がある?
使い道はその万能すぎる性能ゆえに無限大にあります。
例えばより効率が良くなったバッテリーや太陽光パネルの開発、軽いのに曲げられるディスプレイ、軽量で丈夫な建物や自動車の開発、圧倒的な性能を持つコンピューターの登場、そしてSFの世界の話だった宇宙エレベーターの開発なども考えられます。
このほかにも発想次第で様々な活用方法が考えられるでしょう。
カーボンナノベルトはまさに夢の分子でこの合成の成功により、SFの世界だった話が実現されてしまうかもしれません。
これは今後が楽しみですね^_^
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